不受胎牝馬に bActivate を使うタイミング
bActivate ― 不受胎牝馬のための診断補助
bActivateは、慢性的に感染した牝馬において、正しい診断を下す助けとなります。bActivateは、子宮内に潜む休眠状態のレンサ球菌の増殖を促し、それによって通常の手法で診断・治療できるようにします。
慢性感染は妊娠の成立を妨げるだけでなく、早期胎子喪失(early fetal loss)や流産のリスクを高める可能性もあります。当社のフィールドシリーズでは、繁殖能力のある種牡馬と交配し、獣医師の管理下にあったにもかかわらずシーズン終了時に受胎していなかった牝馬のうち、47%(Hagyard、64頭中30頭)から84%(Kildangan、19頭中16頭)が、休眠感染に対して活性化陽性でした。
一部の牧場では、bActivateをスクリーニングツールとして活用し、オフシーズン中にすべての空胎牝馬に対して子宮内膜炎の診断と治療を行っています。これにより妊娠成立の可能性を高め、受胎までの期間(time to pregnancy)を短縮しています。

子宮内感染の繰り返しは、子宮の防御機構が低下していることを示し、急性・慢性いずれの感染も成立しやすい状態にあることを意味します。慢性感染は見つけにくいため、このような不受胎牝馬にはbActivateの使用を検討すべきです。
子宮内膜線維症(endometrial fibrosis)は、子宮内膜の炎症が続くことによって引き起こされます。子宮内膜にβ溶血性レンサ球菌が存在すると、子宮内膜の炎症が誘発され、子宮の線維化が進み、その結果として受胎性が低下すると考えられています。子宮内膜線維症を最小限に抑えられれば、1頭の牝馬が生涯に産める産駒の数を増やせると期待されます。
うちの牝馬は bActivate の対象になる?
bActivateは、子宮の防御機構が低下し、慢性・無症候性(subclinical)の感染が疑われる牝馬に適応します。獣医師と相談する際の出発点として、以下のチェックリストをご活用ください。
強く推奨されるケース
- ✓繁殖能力が確認された種牡馬と交配したにもかかわらず、2シーズン以上続けて受胎していない
- ✓スワブ培養が陰性でありながら、原因不明の不妊、または超音波検査で子宮内液の貯留が繰り返し認められる
- ✓過去の抗菌薬治療で一時的に子宮内液は消失したものの、受胎性は改善しなかった
- ✓複数のシーズンで早期胚死滅(15日目以前)の既往がある
bActivate を検討すべきケース
- ✓牝馬が10歳以上で、子宮内感染や子宮内液貯留の既往がある
- ✓複数シーズンにわたり細菌が繰り返し分離されている(Strep. zoo、大腸菌〈E. coli〉)
- ✓シーズン終了時に受胎しておらず、空胎のままオフシーズンに入る
- ✓子宮内膜線維症(カテゴリー IIB または III)が確認され、子宮のクリアランス機能が低下している
bActivateは処方箋が必要な獣医療用製品です。担当の獣医師が、繁殖歴・臨床検査・超音波所見に基づいて適応を判断します。
最も効果が期待できるのはどの牝馬か
休眠レンサ球菌感染は、あらゆる品種・年齢の牝馬に起こり得ますが、臨床症例では特定のグループが特に多く見られます。
高齢の繁殖牝馬
子宮の防御機構は、加齢と経産回数とともに低下します。10歳以上で分娩を複数回経験した牝馬は、粘液線毛クリアランス(mucociliary clearance)やリンパ排液(lymphatic drainage)が低下し、持続感染を起こしやすくなります。臨床研究には、長期にわたり不妊が続く高齢牝馬が相当数含まれています。
サラブレッドおよびスポーツホース
1シーズンを失う経済的損失が大きい、高価値のサラブレッドやウォームブラッドの牝馬です。Kildangan/Godolphin の研究では、bActivateによる1回の活性化サイクルと、それに続く牧場獣医師による標的抗菌薬治療の後、不妊のサラブレッド不受胎牝馬において受胎率89%が示されました。
リピートブリーダー
正常に発情を繰り返し、交配も受け入れ、胚は得られるものの、着床に一貫して失敗する牝馬です。休眠状態の Strep. zoo がつくり出す炎症環境は、胚そのものが生存可能であっても、子宮が着床の準備を整えるのを妨げます。
繁殖シーズンのいつ使うか
bActivateのプロトコルは、通常の繁殖サイクルの中に収まるように設計されています。活性化とその後の獣医治療は、交配を予定するサイクルのおよそ1サイクル前に行います。
bActivateの投与から交配可能となるまでの期間は、合計3〜4週間です。これは標準的な21日の発情周期の中に収まり、目標とする交配サイクルの前に活性化サイクルを1回行うだけで済みます。
オフシーズンのスクリーニング
一部の生産牧場では、シーズン終了時や冬のオフシーズンに、すべての空胎牝馬に対する予防的なスクリーニングツールとしてbActivateを使用しています。この方法には、いくつかの利点があります。
- ✓次の繁殖シーズンが始まる前に慢性感染を特定できる
- ✓時間に追われることなく、治療と回復のサイクルを十分に確保できる
- ✓次のシーズン開始時の受胎までの期間を短縮できる
- ✓未治療の感染による無駄な交配サイクルを最小限に抑えられる
- ✓シーズン早期の受胎が経済的に重要な高価値の牝馬に特に有効
- ✓牧場が交配スケジュールをより確実に計画できる
標準的なスワブは感染牝馬の約34%しか検出しません(Nielsen 2005)。公表された活性化シリーズでは、不受胎牝馬の47〜87%に隠れた子宮内感染が見つかっています。bActivateによるオフシーズンのスクリーニングは、この問題に直接対処します。
bActivateの基盤となる概念(細菌の活性化を促す仕組み)は、Morten Rønn Petersen博士(DVM, PhD)と Anders Miki Bojesen教授(DVM, PhD)によって発見されました。両氏は牝馬の細菌性子宮内膜炎に関する豊富な経験を持ち、本テーマについて複数の科学論文を発表しています。